歪んだ愛情【更新中】
机の上に置かれた折れた携帯だけ
クローゼットの中にしまい込み、そのまま服を取り出す。
「美海?」
着替えながら後ろを振り返ると
浅見が扉から顔だけ出していた。
ゆっくりと椅子に腰を掛け、
浅見は煙草を吸い始める。
「何もされてないの?」
「え?」
少し戸惑いを見せたが美海は不自然なほど大きく首を縦に振った。
「大丈夫!すごく優しいよ、信ちゃん」
一生懸命笑ったつもりだが、
そんな嘘の笑顔は浅見には通用しなかった。
「嘘ばっかり」と小さく言葉を漏らしたが、
美海は聞こえないフリをした。
「浅見ここにいたんだ、亮介が呼んでるよ」
信吾が扉を開け、浅見を部屋に帰るように指を指した。
信吾は辺りを見回す。
疑われるものがないか、チェックしたようだ。