歪んだ愛情【更新中】
リビングを駆け回り、
壁を這うように部屋を何周もした。
浅見が見付けたのは
電話線を繋ぐプラグ。
携帯が圏外なら絶対連絡が付く手段があったはず。
浅見はそう思いリビングを確かめに行ったのだ。
仕事で忙しい信吾の父親が
一切仕事を断ち切れるわけがない。
別荘に泊まるときでも仕事で何かあった時に連絡が付くようにするはずだ。
でもこの別荘に電話はなかった。
でも電話線を繋ぐものがあった。
「電話は?」
「ないよ」
不適な笑顔を浮かべる信吾を睨み付ける。
「あったでしょ?」
「ない」
否定をし続ける信吾に浅見はしびれを切らし、
ずっと思っていた言葉を吐き捨てた。
「監禁じゃん」
「違うよ、2人の時間を楽しんでるだけ」
「そんなの違う場所でもよかったじゃん!」
「美海は暑いのが苦手だ。だから涼しいここを選んだだけ、それだけだよ」
階段を下りてくる二つの足音が聞こえたので
2人は会話をやめた。
リビングに入る美海の肩を抱き、
信吾は台所へと連れて行く。