歪んだ愛情【更新中】
昼間からお酒を飲むのは久々だった。
このあと出掛けたときを考えて信吾と亮介はジャンケンをした。
結局勝ったのは亮介で、
信吾は渋々ウーロン茶を飲んでいた。
「ずりーよ。俺も飲みたい」
「だって出掛けたときに運転手が必要だから、って言ったの信ちゃんじゃん」
見せびらかすように信吾の前でコップを振り、
美海は一気に中身を飲み干した。
「嫌味だろ、それ」
「おかわり!」
2人の姿を見て、亮介は驚いていた。
こんなに仲良い2人を見るのは初めてだった。
高校時代の2人はいつもこんな風に無駄にじゃれていた。
でも亮介を知り合った頃は
どこか不自然で、美海が一方的に信吾を突き放していた。
「普通じゃん」
浅見の耳元に唇を置き、ひっそりと言葉を掛けた。
「んー無理矢理って気がする。もっと仲良かった、戻ったわけでは無いな」
2人をずっと見てきた浅見は、首を傾げながらほろ酔いの美海を眺める。
新しいお酒を差し出す信吾に優しく微笑む美海に更に首を傾げた。