歪んだ愛情【更新中】
信吾を横に美海はメールを打った。
ボタンを押すたびに
「SHINGO」
と書かれたピンクのストラップが揺れる。
「誰にメール打ってるの?」
「んー学部の友達。次の講義の場所聞いてる」
よくも、まあ口が回ることだ。
という目で浅見とマナが口の端を上げていた。
電波で繋がる美海と千歳を遮るように信吾が携帯を見ていた。
今動きだしているこの気持ち、
誰にも止められたくはない。
千歳からのメールが
美海の心を揺らす。
美海の気持ちを緩ます。
信吾へ閉ざされかけた
愛情が
千歳に注がれようとしているから。