歪んだ愛情【更新中】


「なんで美海がてめえみたいな奴に傷つけられなきゃなんないんだよ!」

「火傷だよ?美海の手に一生残ったら信ちゃん責任取れるの?」

「マナ達が今まで信ちゃんに対して怒ってきた話と訳が違うよ!今回はひどすぎる!」


3人から一斉に怒りが飛ぶと
信吾は座る間も忘れその場に立ちつくしていた。


「もう別れろよ!お前と美海がやってける気がしない!てかうちらが無理!」


果南が煙草に火を点けると
信吾が反発し、すぐに煙草を折ってしまった。


「別れるとかは俺と美海が決める事だし、そこまで3人に口だしされたくない」


浅見が煙草の火を消し、空になってしまった箱を床に投げつけた。


「てか信ちゃんは美海を大事にしようとか思わないの?あたし達がこの事で怒ったとき美海はすごく信ちゃんを庇ってた!庇う事ないのに!大事にしなきゃいけない美海に手を挙げようとする信ちゃんの思考がよく分からない!」

「だから、挙げるつもりはなかったって!」

「でも手振りかざしたんだろう?変わりねーじゃん」


果南の決定打に信吾は黙ってしまった。


「マナ達はさ、ずっと2人を見てきたけど美海が信ちゃんに対して悪い事したの1回もないよね?いつも信ちゃん。いつも泣くのは美海だった!」


さすがに普段温厚な浅見とマナが怒るのに
信吾も驚きを隠せなかったようだ。



「別れろ」

「ねえ、果南。結局お前何も変わってないじゃん!高校の時あれだけ4人でもめたのにお前はまたそうやって友達を縛ってん…、」


その言葉に
果南の平手が信吾の頬を突き刺した。


「てめえ今の自分の立場を考えて物を言え!美海傷つけたら殺すぞ、って何度も言った!」

「信ちゃん!今の言葉取り消して!果南に謝って!あの事はもう4人で解決した!果南だけじゃない。浅見にもマナにも謝って!今更蒸し返すような話じゃない!」


縮こまっていたはずの美海が立ち上がり、
大声を上げた。








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