歪んだ愛情【更新中】
地面に座り込む信吾を
横目に美海は携帯を鞄に閉まった。
「暴れたの?」
「暴れたよー!だって佐野が嘘付くんだもん」
「さ、佐野が?」
まだ酔いが抜けていないのか、
頬を緩ませながら
信吾は頷いた。
「俺の大事な美海たんが浮気してるなんて言い出すんだよ?あり得ない話だろう?」
声を上げて笑う信吾に対して
亮介以外の4人はその場に凍り付いたように
動くことすらしなかった。
「それは信吾も怒っちゃうね。美海ちゃんがそんな事するはずないのに」
4人に追い打ちを掛けるように
信吾をなだめる亮介を一斉に凝視した。
美海の手が震え始めたのを見て、
果南が立ち上がった。
「うちらレポートの資料集めに図書館いかなきゃいけないんだった。信吾も無事に学校来たんだし、もう行こう」
すかさず浅見とマナが机の上にある物を片付け始めた。
「ねえ?美海、あり得ないよね?俺の事大好きだもんね?」
「し、し、信ちゃん。もう今日帰ろうよ。そんなんで授業受けても仕方ないじゃん。ね?」
座り込む信吾を引っ張り
美海が声を掛けた。
「美海も一緒に帰るなら帰る!」
「あたしレポート溜まってるし」
「じゃあレポート終わるまで授業受けて待ってる!」
「信ちゃん…」
ほとんど泣きそうな顔をして
美海は頭を抱えた。