歪んだ愛情【更新中】
美海は分かっていた。
信吾がもう何かに気が付いている事を。
言葉一つ一つに嫌味がこもっている、
信吾の目が美海を見ていない。
もう信吾は美海の嘘に気が付いている。
「りょ、亮介くんよろしくね」
2人を置いて
カフェを後にした4人は一言も話さずに
歩いた。
ただひたすら図書館に向かって
歩いた。
今は誰も
美海に掛ける言葉が見つからない。
でも
美海もどうしたらいいのか
分からなかった。
早く、
早く、
信吾に別れを告げなければ
いずれ
ばれた時の方が
怖い。
別れを告げる事より、
嘘がばれた時の方が
信吾は
怖い。