歪んだ愛情【更新中】
「佐野…。あいつ美海の彼氏に言ったんだ」
「うん。でも信ちゃんは信じてなかったけど。てか信じないようにしてるんだと思う」
「で、信吾くんは?」
「うーん。あたしそろそろちゃんと別れようって言おうと思って」
千歳の腕枕は
美海にとって
一番心地のいい場所。
一番素直でいられる場所だ。
「俺も綾にはっきり言わなきゃな」
美海の長い髪を撫でながら
千歳は髪に顔を埋めた。
「俺一人暮らしする」
「え?」
「美海と一緒にたくさんいられるようになる。綾には場所を教えない」
千歳の体から離れ
美海は腕をめいっぱい上に上げ喜んだ。
何も身につけていない
美海から恥ずかしそうに千歳は目を逸らし、
飛び上がる美海の手を引いた。
「何も着てないんだから、飛び跳ねないでよ」
耳まで赤く染める千歳の
頬に唇をあて
小さく音を鳴らした。
美海に被さるように千歳が体を動かし、
お互いの愛を確かめるように
また体を重ねる。
それは
2人にとって
罪を重ねているのを
変わりがない。
それでも
何度も
何度も
お互いを確かめるように
夜をすごす。