歪んだ愛情【更新中】


朝、
目を覚まして
横で寝ている愛しい姿に
千歳は笑みをこぼした。


なんて可愛い姿だろう。


眠い目を擦りながら
必死に目を覚まそうとしている。


「おはよう、美海」

「んー」


美海の寝起きの悪さは天下一品だ。

声がいつもの3倍低くなり
大きいすこしつり目の目は
普段でさえ目つきが悪いのに
寝起きは更に人を一瞬凍らせる。


「美海。大学行かないの?」

「行くー」

「じゃあ早く起きて」

「嫌だ」


だだをこねて
布団を被り直す姿も
愛おしい。


やっと目が覚めて
美海は第一声を叫びだした。


「待って。スッピンまじまじと見ないで!」

「もう何回か見たよ。変わらないから大丈夫」

「嫌だー」

「少し童顔になるくらいだよ。中学生みたい」

「少しじゃねえじゃん!」


そう言いながら
美海は起きあがり千歳に蹴りを入れた。


最近美海は千歳の前でも
素の自分でいられるようになった。

でも素の自分の美海は
口が悪い。





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