歪んだ愛情【更新中】
果南の車が来る前に
千歳とはラブホテルの前で別れた。
あと2、3分で果南の車が来るはずだ。
美海は煙草に火を点け、
18時間ぶりに煙を吸い込んだ。
千歳は吸っていいよ、
と美海に何度も言ってくる。
でも美海は千歳のために千歳の前では吸わない決意をした。
美海のわがままを何でも許してくれる千歳に対して
唯一自分が出来る事。
千歳の嫌いな煙草を千歳の前で吸わない事だ。
「朝からお迎えしてくれる心優しきあたしに感謝して」
「朝の第一声がそれですか。ありがとう」
助手席に乗り、
信吾にメールを打ち始めた。
「ちょっとこれ返しといて」
「え?なんて?」
「今日はちょっと無理って」
果南の黒いスライドの携帯を受け取り、
美海は言われた通りのメールを打ち始めた。
「新しい男?」
「新しい金ずるって言った方が早いかな」
「悪女」
「お前に言われたかねーよ」
朝から2人で不適な笑みを浮かべて笑った。
少し渋滞にはまりながらも
2人は遅刻せずに学校に着いた。