先生がくれたもの
私の番がきて、私は体重計に乗った。
体重はプライバシーの保護とかいって、声には出さずに紙に書いて生徒に渡すみたいだ。
紙を書くのは代表っていうか、一番最初の番号の子なんだけど、さすがに体重は先生が書くみたい。
私は先生に渡された紙を見て、驚いた。
だって中3からほとんど変わっていなかったから。
書いてあった数字は40・2kgだったからだ。
中3では39kgだったのに、私は昔からあまり太らない体質で、人より多く食べても全然太らない。
だからか体重は一向に増えていかない。
脂肪もないから、いくら痩せていても胸がないのが欠点だ。
まぁ痩せてるってだけで、羨ましいとか言われるけど肝心な部分がなきゃ私は嬉しくないんだ。
そうして自分の体重を見つめていると、クラスの目立つ子が言った。
「時間がないで、半分に別れてやって」
そう言われて、私たちは半分に別れた。
私は二番目になったけど、紙は私が書くことになった。
次は視力検査が空いていたので、視力検査に行った。
そこに行くと男の先生がいた。
これが私と先生の出会いだった。
私は先生に紙の書き方と判子の押し方を教えてもらった。
先生の言われた通りに書き進めていくと、判子を押していくと先生の名前は高城先生だということが分かった。
でも、私は最初全然先生のことなんて何とも思ってなかったんだ。
むしろ先生を好きになる人なんているの?ってかんじだった。
まさか自分がそんなことになるとは思ってもいなかったんだから。