先生がくれたもの


それに、ことあるごとにお母さんと喧嘩をして私たちにもとばっちりがくるからだ。


だから正直お父さんのことは、あまり好きではなかった。


私はさっさと食事を済ませてしまおうと思って、無言で食べていた。


すると、お母さんが突然話しかけてきた。


「明日は実力テストがあるんでしょ?ちゃんと勉強したの?」


最悪だ。


なんでこの話題を今出すかな。


本当に空気が読めない人だよね。


「さっきまでずっと勉強してたよ」


私は渋々答えた。


「偉いじゃないか。勉強なんて」


私はびっくりした。


滅多に褒めないお父さんが私を褒めたからだ。


普段嫌いだと言っても、突然褒められると妙に嬉しくなるものだ。


それからはまた喋らなくなり、テレビの声だけが響いていた。


私は早々とご飯を食べ終わり、早速さっきの続きを再開した。



分からないところは、中学の頃の教科書を持ってきて解き方を見たりしてやった。


そんなこんなであっという間に時間は過ぎていき、私は明日に備えて眠ることにした。







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