【完】俺のこと、好きでしょ?
好きなもの
あたしはあのあと、美術室をあとにして教室に戻った。
破った絵の修復に思いのほか時間がかかってしまい、1時間分の授業をサボってしてしまったことになっている。
「美月!今までどこに行ってたの!?」
梓が教室に戻ったあたしを見つけ、心配そうな顔して駆け寄ってくる。
「ごめん、保健室で休んでた」
「保健室って……どこか体の具合でも悪いの?」
「ううん、ちょっと休んだらすぐ元気になった。何も言わずにごめんね」
「本当だよ……もう」
はあ……と安堵の息を漏らした梓に、本気で心配してくれてたんだということが伝わってくる。
申し訳ないことしちゃったな……。