【完】俺のこと、好きでしょ?
先生の都合で少しだけ長引いた授業が終わり、みんなが急いで部活へ行ったり、下校したりと教室を出て行く。
今日の掃除の子達も、ぞろぞろと動き始めていた。
有馬くんの席には鞄がかかったままで、戻ってくる様子はない。
もう放課後なのに、いったいどこで何してるんだろう?
「どうしよう〜!」
有馬くんのことを考えてると、同じクラスの子の困った声が耳に届いた。
何かと思い顔を上げれば、その子は今日、日直のようで、日誌を持ちながら今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「どうしたの?」
「最悪だよ〜。今日、今から彼氏と会うのに、約束の時間まで10分もないの!あの先生が授業長引かせるから〜!」
「ありゃー、どんまい」
久々に会えるの楽しみにしてたのに……っと、つぶやきながら、この世の終わりかのように肩をガックリ落としてる生徒。