【完】俺のこと、好きでしょ?
少し遅れるぐらい、どうってことないんじゃないのかな?
なんて思うものの、あの子にとって今日という日は特別で、とても楽しみだったのかもしれない。
あたしは彼氏がいたことないから、その気持ちはわからないけど……。
「あたし暇だし、代わろうか?」
項垂れてるクラスメイトに声をかけると、驚きのあまり目を見開いた彼女は、みるみるうちにパアアッと瞳を輝かせていく。
「嘘!葉山さん、本当にいいの!?」
「うん、いいよ」
「わー!ありがとう!この恩はいつか必ず返すよ!!」
右手をギュッと握り締められ、嬉しそうな笑顔を向けてくれる。
こんなに喜んでくれるなら、引き受けて良かったな。
そして彼女から日誌を預かり、あたしは今日、日直の役割をすることになった。