【完】俺のこと、好きでしょ?



美術室に行く梓に、また美月のいつもの悪いクセだ、なんてつぶやかれたけど、気にしない気にしない。


あたしは開き直って、席に着いてから日誌を開いた。



「葉山、俺も手伝おうか?」


「あ、石原くん」



声をかけてくれたのは、鞄を持った石原くんだった。



「おーい、石原!体育館空いてるって!」


「運良くバスケ部休みみたいだぜ!早く行くぞ」



だが、クラスでも体育会系で元気な男子生徒に声をかけられ捕まってしまった様子だ。


話を聞いていると、球技大会までの練習として、今日の放課後は体育館が空いてるみたいだから使っていいとのことだった。



「そういうことなら、石原くんも行って来なよ」


「でも、葉山ひとりで大変じゃねーか?」


「大丈夫だよ。こんなの慣れっこだし」


「そっか。じゃあ、こないだ掃除当番代わってくれたお礼、またさせてくれよな」


「そんな気を遣わなくていいのに。でも、ありがと」


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