【完】俺のこと、好きでしょ?
……好きだな。
有馬くんの笑った顔を見るたびに、強くそう思う。
さっきから、心臓が鳴り止まない。
黒板に描かれてるあたしの〝好きなもの〟。
もっと、たくさんあるよ。
他の食べ物も好きだし、小さくて可愛いものも好き。
梓のことも、家族のことも……。
黒板に描ききれてない、あたしの好きなもの。
他には……。
そっと、黒板から視線を有馬くんに向けた。
彼と目が合い、ドキッと強く胸が鳴る。
黒板の中じゃない……目の前にいる有馬くんのことが、大好き。
その気持ちが、1番強かった。