【完】俺のこと、好きでしょ?
「有馬くんがそう言ってくれたから、あたしは今、頑張れてるんだよ」
有馬くんに好きな人がいたとしても、向きあいたいって思ったの。
……ゆ、勇気を出せあたし!
グズグズしないで行動するって決めたんだから!
あたしはさらに語気を強めて、訴えかけた。
「確かに、辛いことと向き合うことって簡単じゃないと思う!でも、最初から諦めてたらあたしと同じだよ!」
「…………」
「あたしは有馬くんの言葉に救われた。有馬くんくんのおかげで、ちゃんと前を向けたの……」
ドキドキと心臓が脈を打っている。
次の言葉を口にするのを躊躇った。
恥ずかしすぎて、顔から火が出そう。
「だ、だから……」
徐々に語尾が小さくなったせいか、有馬くんは首を傾げてあたしに顔を近づけてきた。
2人の距離は、ほんの数センチ。