【完】俺のこと、好きでしょ?
「こ、今度はあたしが、有馬くんを助けてあげる!!」
大きな声は、震えていた。
近くで叫ばれた有馬くんは、キョトンとした顔をあたしに向ける。
ていうかあたし、なに上から目線な発言してんの……!?
勢いだとはいえ、今のはないわぁぁぁ!!
自分の行動を恥じていると、有馬くんが声をあげて笑った。
「ちょ……ホントあんた、ヤバイ……っ」
……あれ?
思ってた反応と違い、今度はあたしがキョトンとする番だった。
口元を押さえ、必死に笑がこみ上げるのを我慢してるように見える。
こんな有馬くんを見れるのはレアだ。絶対に。
すると、笑い疲れた有馬くんは、大きく息を吐き出し呼吸を整えると、穏やかな笑みを浮かべてあたしに視線を合わせるように身を屈めた。