【完】俺のこと、好きでしょ?
貴重な笑顔
翌日。
「美月、おはよー!」
「あ、おはよう梓」
学校に着いてすぐ、友達が声をかけてきた。
「ねぇ聞いた? また有馬くん、昨日も女子生徒の告白断ったんだってー!」
さすが噂好き。情報収集が早いなぁ。
彼女はあたしの1番の親友で、名前は清水 梓(しみず あずさ)。
背が低く、可愛らしい顔をした女の子である。
そして、例の美術部の部員である。
週に2、3回程度活動しているけれど、彼女は幽霊部員で、気ままにしか活動していない。
自由奔放で困ったものだけど、でも、だからこそこの子の描く絵はすごいんだ。
個性的で、ユーモア溢れる、独特な雰囲気がある。
あたしはそれが好きだ。