【完】俺のこと、好きでしょ?
もう放課後で帰ってしまった生徒もいるだろうし、これは明日配ればいいかな?
とりあえず、教卓の上に置いておこう。
そうして教室の前に着き、ドアに手をかけたときだった。
「だーかーらー、葉山さんにお願いしようよー!」
「でも、あの人毎日頼みごとされてんじゃん」
「だからいいんでしょ?きっとあたし達のお願いも快く聞いてくれるよ!掃除代わってもらって、カラオケ行こっ!」
中でヒソヒソと話し声が聞こえると思えば、ひとりは大きな声でしゃべっている。
てか、明らかにあたしのことだよね……?
「あんだけ周りにいい顔してんだから、すごく便利だよね〜」
「面倒ごとは押し付けちゃえって感じ」
あたしがここにいるなんて思ってもみない彼女達は、また口々に好き勝手言っている。
いったい何人くらいいるんだろう?
これは非常に中に入りにくいぞ……。