【完】俺のこと、好きでしょ?
……どうして?
どうして有馬くんは、そんな風に言ってくれるの?
あたしの欲しい言葉を、くれるの……?
……バカだ。
こんなあたしなんかのために、絵を描く時間を潰して……。
あたしなんかを庇って……守って……。
〝今度はあたしが、有馬くんを助けてあげる!!〟
あんな偉そうに宣言しといて、助けてもらってるのはあたしの方だ。
あたしばかり、助けてもらってる。
……好きだ。
もう引き返せないくらいに、有馬くんのことを好きって言ってる自分がいる。
見えにくいその優しさに、恋をしている。
だからこそ……。
あたしは彼の幸せを1番に考えたいと、そう強く思った。