【完】俺のこと、好きでしょ?
……な、何……?
ドキドキと騒ぎ出す胸の鼓動。
いきなりの出来事に、頭がついていかない。
「さっきの奴らに、何された?」
「え……?あたしは何もされてないよ?」
「嘘だ。その腕は何?」
有馬くんが、珍しく饒舌に質問攻めしてくる。
「えっと、さっきの人に突き飛ばされたときに倒れちゃって……たぶん、床で擦ったんだと思う」
「何かされてんじゃん」
「違うんだよ、有馬くん!あの人たち、あたしじゃなくて有馬くんの絵に何かしようとしてたの!だから……っ」
「もう黙って」
ギュッ……。
さらに強く抱きしめられて、あたしは何も言えなくなった。
え、え……?
なに……これ?