【完】俺のこと、好きでしょ?
「なんで自分の体を大事にしないの。なんで俺の絵なんか守ってんの」
有馬くんの吐息が直に耳に当たり、すごく熱くなった。
……や、やばい。
「……だ、だってこれ、有馬くんの大事な絵でしょ? それならあたしにとっても大事な絵だし、守らなきゃ……」
「意味わかんない。絵なんていつでも同じのが描き直せる。でも、あんたの体は傷ついたら元に戻らないかもしれないじゃん。そしたらどうすんの」
どこか、責めるような口調。
だけどそれは、あたしのことを心配してくれてるからこその言葉だって、知ってる。
だから、どんどん好きになっていってしまう。