【完】俺のこと、好きでしょ?
有馬くんは真っ直ぐにあたしを見つめて……そのアーモンド型の瞳は、ユラユラと揺れていた。
「どうして……あんたはそこまで……」
有馬くんが、独り言のように何かをつぶやく。
「え、なんて?」
「いい。別に何も言ってないし」
聞き返すと、すぐにプイッとそっぽを向いてしまった。
それは嘘だ。今、絶対何か言ったもん。
ふふっ。
でもなんか、拗ねてるような感じなのが可愛いから、いいや。
「とりあえず、早く保健室行くよ。手当てするから」
「え?そんなにひどくないよ?」
「出血止まってないじゃん。あんたバカじゃないの。それでひどくないって言うんなら世界中の保健室いらないから」
有馬くんの言いように、思わず笑みがこぼれる。