【完】俺のこと、好きでしょ?



確かに、今回はさすがに保健室に行った方がいいかな。



だって、有馬くんがこうやって、あたしの手を優しく掴んで引き連れて行ってくれるんだもん。


離してもらうのは、惜しい気がする。



ちょっと不純な動機も混じりながら、あたしはおとなしく、有馬くんに着いて行った。




「そこ、座って」


「あ、うん……」



幸か不幸か、保健室には先生がいなくて、有馬くんが手当てをしてくれることになった。


指定された椅子に座ると、有馬くんも私と向かい合うように、持ってきた椅子に座った。



手には小さな箱がある。おそらく救急箱だろう。



< 157 / 462 >

この作品をシェア

pagetop