【完】俺のこと、好きでしょ?
確かに、今回はさすがに保健室に行った方がいいかな。
だって、有馬くんがこうやって、あたしの手を優しく掴んで引き連れて行ってくれるんだもん。
離してもらうのは、惜しい気がする。
ちょっと不純な動機も混じりながら、あたしはおとなしく、有馬くんに着いて行った。
「そこ、座って」
「あ、うん……」
幸か不幸か、保健室には先生がいなくて、有馬くんが手当てをしてくれることになった。
指定された椅子に座ると、有馬くんも私と向かい合うように、持ってきた椅子に座った。
手には小さな箱がある。おそらく救急箱だろう。