【完】俺のこと、好きでしょ?
だけど、絆創膏のシートを剥がして傷口に貼ってくれる姿が真剣で、やっぱりそんなのどうでもよくなって……。
「……これでいいかな」
患部全体が覆われるように配慮して、ガーゼを当ててくれた有馬くんの指がとても優しくて……ただその姿に見惚れていた。
「ありがとう」
「ん……どういたしまして」
まだ微かに残る、有馬くんが触れた感触にドキドキしながらお礼を伝えた。
有馬くんは、そっと椅子から立ち上がり、救急箱を戻しに行く。
そして、あたしに背を向けながら言葉を発した。
「あんたさ……」
「ん?」
「さっき、俺の大事なもの、自分も大事にする……っぽいこと言ってたじゃん……」
……え?