【完】俺のこと、好きでしょ?
……やっぱり、有馬くんはクラスのことでは協調性に欠ける。
こういうのがキッカケで、たぶん、みんなから反感をかうんだろうな。
まぁ、よく言えばちゃんと〝自分〟っていうものを持ってることなんだろうけど。
そういうの、少し羨ましい。
あたしは人に嫌われたりするのが怖くて、周りに合わせてしまうところがあるから。
梓も、好きな絵を自分の好きなタイミングで自由に描いてるし。
石原くんも、委員長として自分らしいことをとことんやっている。
……あたしには、何があるのかな?
「あ、そういえば球技大会の説明があるからって、このあとみんな講堂に移動しないと。
それクラスに言えって先生に言われてたんだ」
思い出したようにそう言った石原くんは、先生に頼まれた通りにクラスのみんなに声をかけた。
そしてゾロゾロと、みんなが移動し始める。