【完】俺のこと、好きでしょ?



無邪気な笑顔でそう言うと、あたしが断われないように、先に手を振って友達のところへ行ってしまった石原くん。


本当に、なんて律儀な人なんだろう。



また何か大変な時は、一緒に手伝ってもらおうかな……。


お礼なんて、それで十分だ。




「あ……っ!」



あたしは体育館を歩いてると、見覚えのある人物を見つける。



昨日、有馬くんの絵に手をかけていた男子生徒2人だ……!



いてもたってもいられなくなって、あたしはその人達に近づいた。



「あの!」



「うわ!なんだよ、ビックリした……って、うわ!」



あたしの顔を見るなり、驚いた顔をする男子生徒。


いきなり声をかけられたことよりも、相手があたしだったことに驚いてるみたいだ。



< 164 / 462 >

この作品をシェア

pagetop