【完】俺のこと、好きでしょ?
無邪気な笑顔でそう言うと、あたしが断われないように、先に手を振って友達のところへ行ってしまった石原くん。
本当に、なんて律儀な人なんだろう。
また何か大変な時は、一緒に手伝ってもらおうかな……。
お礼なんて、それで十分だ。
「あ……っ!」
あたしは体育館を歩いてると、見覚えのある人物を見つける。
昨日、有馬くんの絵に手をかけていた男子生徒2人だ……!
いてもたってもいられなくなって、あたしはその人達に近づいた。
「あの!」
「うわ!なんだよ、ビックリした……って、うわ!」
あたしの顔を見るなり、驚いた顔をする男子生徒。
いきなり声をかけられたことよりも、相手があたしだったことに驚いてるみたいだ。