【完】俺のこと、好きでしょ?
そして、おもむろにあたしにだけにわかるように、腰の位置で小さくピースサインを送っている。
……ドキッ。
そういうの、期待してしまうからやめてほしいなぁ……。
……って、ダメダメ。
有馬くんが好きなのは、棗先輩なんだから。
自分でわかりきってることを言い聞かせる。
結局、球技大会のバスケットボールの種目は、2年生は男子も女子も2位というなかなかの好成績を残した。
後片付けのとき、ボーッとしている有馬くんを見つけ、声をかけた。
「有馬くん、お疲れ様!」
「……あんたか。お疲れ」
「すごいね、有馬くん!ちゃんと活躍してたじゃん!」
「あんたが練習に付き合ってくれたおかげ。あと、あんたが見ててくれたからなんじゃない?」