【完】俺のこと、好きでしょ?



そして、おもむろにあたしにだけにわかるように、腰の位置で小さくピースサインを送っている。



……ドキッ。



そういうの、期待してしまうからやめてほしいなぁ……。


……って、ダメダメ。



有馬くんが好きなのは、棗先輩なんだから。


自分でわかりきってることを言い聞かせる。




結局、球技大会のバスケットボールの種目は、2年生は男子も女子も2位というなかなかの好成績を残した。



後片付けのとき、ボーッとしている有馬くんを見つけ、声をかけた。



「有馬くん、お疲れ様!」



「……あんたか。お疲れ」



「すごいね、有馬くん!ちゃんと活躍してたじゃん!」



「あんたが練習に付き合ってくれたおかげ。あと、あんたが見ててくれたからなんじゃない?」



< 174 / 462 >

この作品をシェア

pagetop