【完】俺のこと、好きでしょ?
「……用事思い出した」
「えっ」
突然、ポツリとつぶやいて、有馬くんはそのままあたしの顔を見向きもせずに、どこかへ行ってしまった。
急に行っちゃった。なんでだろう?
用事って何かな……?
もしかして、棗先輩に会いに行くとか?
そう言えば、今日一度も棗先輩を見ていないな……。
有馬くんもバスケに引っ張りだこだったし、たぶん、会えてないと思う。
他の種目に出てるんだろうか?
「美月ー、お疲れ!バスケ、大活躍だったんだってね!」
「わっ、梓!お疲れ様」
後ろから突進してくる勢いで、梓があたしの体にのしかかってきた。
重たい重たい!全体重かけてるよこの子……!!