【完】俺のこと、好きでしょ?
「おー、清水!バレーはどうだったんだよ?」
石原くんが、梓に声をかける。
「みんな頑張ってたよ〜!あたしは無理。筆以上に重いもの持てない!球技苦手ってことを学んだ!」
「ははっ。大げさ」
そんな言い草に、きっと今日、梓は爆睡するんだろうなってことが、容易く想像できた。
「梓、重いからいい加減離れてー。あぢぃー」
「あーごめんごめん」
パッと離れた梓に、石原くんは、何かを思い出したように問いかけた。
「あ、そうだ清水。明後日の展覧会って、何時からだっけ?」
今日は木曜日だ。
だから、今週の土曜日に開催される展覧会に、梓に誘われて、あたしと石原くんは行かせてもらうことになってる。
なぜかというと、ちょうどその話をしていたときに石原くんも「俺も行きたい!」って言ってきたから。
理由はよくわからないけど……。