【完】俺のこと、好きでしょ？

「それともう一個、決めたことがあるから」



「え……何？」



どこか清々しく、吹っ切れた様子の有馬くんに問いかける。


すると彼は、すっと目を細めて綻んだ。



「知りたい？」



その双眼には、からかいの色が浮かんでいる。


……くっ、ズルイっ。


憎たらしい顔なのに、なんでこんなに可愛いんだ！


あたしは高まる鼓動を抑えつつ、揺れる心を見透かして笑う有馬くんの視線から逃れるように目を伏せた。


……このまま、からかわれっぱなしって言うのもなんだか悔しい。



なのであたしは、息を整え、スッと流し目を作り、大人っぽい雰囲気を取り繕ってみる。



「別に知りたいなんて、思ってないよ」



……ふっ、決まった……。


心の中でガッツポーズをする。