【完】俺のこと、好きでしょ?
いつも勉強終わりは途中まで一緒に帰ってたけど、今日、石原くんは保育園に預けている弟の迎えに行かないといけないらしく、図書室に鞄を持ってきていて、そのまま帰ってしまった。
あたしは一旦、教室に戻ろらなければ。
数学の教科書やノートは石原くんのを使ってたから、あたしは鞄を教室に置きっぱなしだ。
ということで、教室に戻ることにした。
ずいぶんと遅くなったし、誰もいないだろうとためらいもなく教室のドアを開けると、1人だけ席に着いて眠ってる生徒がいた。
……有馬くんだ。
机の上で腕を組み、そこに顔をうずめて、心地よさそうに眠ってる。
どうしたんだろう?
こんな時間まで学校に残ってるなんて。
それも、美術室や旧図書室でもない教室に……。