【完】俺のこと、好きでしょ?
起こした方がいいのか、それともしばらく寝かせてあげるべきか。
悩みながら、あたしは有馬くんに近づき、隣の席に音を立てないように座って、その寝顔を覗き込んだ。
きれいな寝顔……。
長いまつげに、形のいい唇。きめ細やかな肌。
その中性的な顔立ちを、ついつい眺めてしまう。
……このまま、そっとしておこうかな。
起こしてしまうのが惜しいくらいに、規則正しい寝息が聞こえてくる。
それに、久々に同じ空間に2人きりになれたことが嬉しいから……もうちょっとこのままでいたい。
「あ……」
腕に顔を半分うずめている有馬くんの顔に、サラサラな横髪が垂れてきてしまった。
ちょっと邪魔そう……。