【完】俺のこと、好きでしょ？

聞けば、彼は隣にいるあたしに再び目を向ける。


その瞳は、まっすぐあたしを見つめていた。




「……あんた」



「え？ あたし？」



「そう。鞄あるし、また何か頼まれて残ってんのかなって思ってたけど……こんな時間まで何してたわけ？」



いくら頼まれごとと言っても、こんな時間までっていうのは中々ないから、不思議みたいだ。


確かにいつもみたいな先生からの雑用ではないけど、一応これも石原くんからの頼みごとだよね。



「石原くんと一緒にテスト勉強してたの」



「……へえ」



あれ？



有馬くんのテンションが低いのはいつものことだけど、さらにそのテンションが低くなったような気がした。



興味なさげってわりには、ジッとこちらを見ているし……。



すると彼は、不機嫌そうにつぶやく。



「ずいぶんと熱心なんだね」