【完】俺のこと、好きでしょ?
「?」
さらに首を傾げる有馬くんに、あたしは言葉を続ける。
「あたしじゃない方がいいんじゃないの?だってあたし、絵のことなんて詳しくないし……よくわからないし……」
……あたしは、棗先輩じゃない。
「あたしより絵のこと詳しい人なんて、もっといくらでもいるよ」
「だろうね」
「っ! だったら……!!」
あまりに当然のような言い草の有馬くんに、思わず声が張り付いてしまった。
でも、実際にそうだ。
あたしになんか見せるくらいなら……棗先輩の方が……今はいなくても、次会う時に……。
あたしなんかじゃなくて……。