【完】俺のこと、好きでしょ?



「わかった。あたしでよければ……」



「ん。じゃあ、テスト後に」



ニッと嬉しそうな笑みを見せるもんだから、何も言えなくなる。



有馬くんの用はそれだけだったのか、あたしと約束をすると、そそくさと鞄を持って教室を出て行ってしまった。



帰っちゃった……。



本当にあたしを待ってただけ……?


わざわざ、こんな時間まで?




「……あっ」



テスト後に石原くんとの約束がある件に関して解決してないことに気づいたのは、有馬くんが出て行って数分後の出来事だった。



もしや、わかってて逃げられた!?



嘘……。



有馬くんの作戦に、まんまと引っかかった気がする。



< 227 / 462 >

この作品をシェア

pagetop