【完】俺のこと、好きでしょ?
「……なにしてんの、あんたら」
なんとなく、聞き覚えのある落ち着いた声。
ぶたれると思ってたけれど、痛みは全然やってこなくて。
あたしは徐々に、ゆっくりと目を開いた。
「あ……」
そこには、あたしをぶとうとしてきた女子生徒の腕を掴む有馬くんがいた。
「あ、有馬くん……」
集団のみんなも、いきなりの有馬くんの登場にビックリしてる様子。
整ったキレイな顔は、眉間にシワが寄っていて少し不機嫌そうに見えた。
「ひとり相手に集団でリンチ?あんたら頭おかしいんじゃない?
人の文句言う前に、こんなことしてるときの自分の顔面、見てみなよ」
うおぉ、有馬くんのトゲトゲしい言葉。
さすがにこれは傷つく……って、えっ!?