【完】俺のこと、好きでしょ?
なんじゃそりゃ!
はっ! そう言えば……!
彼は前に、他人の手伝いをする行為をめんどくさいと言って、そんな行為をするあたしをあり得ないと言っていた。
有馬くんのキャラは、いたってぶれていないらしい。
「だ、だったら尚更先に行っててよ。有馬くんに見られてると逆に集中できない……」
「それは無理。だって俺にも役目があるから」
……役目?
有馬くんに今日、どんな役目があるというんだろう?
日直はあたしだし、掃除も今日はテストの日でないのに。
そんな疑問に首をかしげると、有馬くんは得意げに笑った。
「あんたを見とく役目」
「……は?」
思いもよらない有馬くんの言動に、あたしの素っ頓狂な声が漏れる。
すると有馬くんは、ふっとおかしそうに笑った。