【完】俺のこと、好きでしょ?
「え、なんで泣くの?」
あたしの突然の涙に目を見張った有馬くん。
「もしかして、痛い?」
パッと離された頬。
離れる温もりに、思わずブンブンと首を振った。
「……違うの……。これは、嬉し涙で……。信じられなくて……夢なんじゃないかなって……」
泣き顔を見られたくなくて、うつむいてポロポロとあふれる涙を拭う。
すると、有馬くんはあたしの顎に手をかけ、強引に顔をあげさせた。
すぐ近くに、有馬くんの顔をがあり、胸がドキッとする。
「……あ」
チュッと音を立ててあたしの涙に口づけをした有馬くんに、驚いて目を開ける。
「じゃあ、夢じゃないって教えてあげる」
そのまま、額やこめかみ、そして頬へと落ちていく優しいキスの感触は、まるで現実なのだと訴えてくるよう。
「……っ」
再び押し付けられた唇の熱に、あたしはめまいを起こしてしまいそうだった。