【完】俺のこと、好きでしょ?
な、なんだったの……。
嵐みたいな時間だったな……。
って、そうじゃなくて……!!
「……待って!」
いつの間にかスタスタと歩き始めていた有馬くんを、あたしは急いで呼び止めた。
「……なに?」
あからさまに、めんどくさそうな表情で振り返る有馬くん。
……さっきのって、あたしのこと助けてくれたんだよね?
あたし、やっぱり有馬くんが冷たい人だとは思えないかも……。
「えっと、さっきはありがとう……」
ペコッと頭を下げて、きちんとお礼を言った。
「別に。通り道に邪魔だっただけ」