【完】俺のこと、好きでしょ?
「まじ泣くなって……ホント……」
……ん?
よく見ると、その2人は接点がないような関係にも見て取れる。
やっぱり迷子かも、と思った時にはもう既に足が自然とそちらへ寄っていた。
「どうしたの?」
泣きじゃくる男の子の視線に合わせかがみ、できるだけ不信感を与えないよう笑って尋ねる。
すると男の子は、グスッと鼻をすすりながら、
「お母さんとはぐれちゃった……」
と答えた。
……やっぱり、迷子だったんだ。
「じゃあ、お姉ちゃんと一緒に探そっか?」
あたしはそう言って、男の子の手を取った。
「え、ちょ……あの……」
さっきまで男の子に泣かれて項垂れていた男性が、戸惑いの声をあげる。
「大丈夫です。あたしがなんとかするので」
「でも……」