【完】俺のこと、好きでしょ?
「お母さんいるかなー?」
「マーマー!」
あたりをキョロキョロ探しながら、ケイくんはお母さんを呼ぶ。
さっきよりも周りの視線が気になるが、ケイくんが泣いてるよりはずっといい。
「ケイくんのお母さんは、どんな人?」
「んっとねー、髪が長くて、優しいんだよー!」
この小さな男の子から得られた情報は、髪が長いということだけだった。
それでもその有力な情報得て、あたしは必死に髪の長い人をスクリーニングし、探してみる。
「ケイ!!」
「あっ、ママ!」
すると、ケイくんの名前を呼ぶまだ若そうな女性が走ってこちらにやって来た。
髪の長い、キレイな女性だ。
おそらくケイくんのお母さんだろう。