【完】俺のこと、好きでしょ?



無言の有馬くんから、何かしらの無言の訴えを感じたが、とりあえず今は弁解するのに必死だった。



「それで、さっきの男の人困ってたから……お母さんを探してたっていうか……」



そのままの流れで、待ち合わせに遅れてしまったことを、素直に謝って頭を下げた。



「別に。あんたは悪いことしてないんだから謝らなくていい」



「……でも……」



そんな風に言ってもらえたとしても、腑に落ちないよ。


有馬くん、怒ってるじゃん。



ショボンとしてるあたしから何かを察したのか、今度は有馬くんが弁解の言葉を紡いだ。



「違う……。あんたが、他の男に絡まれてるのに……妬いただけ」



「え……?」



思わずパッと顔を上げれば、そこには顔を赤くする有馬くんがいて……。



トクンと胸が脈打つ。



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