【完】俺のこと、好きでしょ?
「どうしていつもそう、変なことに首に突っ込んで他のことに巻き込まれるの……」
有馬くんの手は、グイッとあたしの手を引っ張り、自分の方へと引き寄せた。
コロンと彼の胸の中に、顔を埋める形になる。
「あ、有馬くん……!?」
……ここ、外!!
「バカじゃないの」
「あの、みんなに見られる……」
「見せつけてんだよ。バーカ。バカバカバカ」
……っくうぅっ!!!
こ、こんなにも可愛い〝バカ〟がこの世に存在するなんて、あたしは今まで知らなかった。
なにいっちょ前に拗ねてるんだ、この人。
「バカって認めます。なのでどうか許してください」
「やだ」
「あの……あたし、恥ずか死にそうなんですが」
そう言うと、「なにそれ」っと、おかしそうに笑う有馬くんの声が聞こえて、くっついてた身体が離れた。