【完】俺のこと、好きでしょ?
「マジでついて来たよこの人……」
隣でポツリとつぶやく有馬くんの声を聞きながら、あたしは久々に来た図書室を見渡していた。
「図書室って久しぶりに来たかも……。ていうか、全然人いないね」
ひとっこひとりいないなんて、どれだけこの図書室は不人気なの?
「あんた知らないの? ここは旧図書室。古い本しか置いてないから、こんなところに誰も本を借りに来ないんだよ」
言いながら、有馬くんはあるひとつの本棚に向かって歩き出す。
そう言えば、先生が前に新しい図書室ができたって言ってたな……。
本とか無縁だから、そんなことすっかり忘れてたよ。