【完】俺のこと、好きでしょ?



……ググググッ。



「っ!?」



嘘!めっちゃ、強く握られてるんだけど!!


力を込めて離そうとしても、有馬くんは飄々と涼しい顔をしてるくせに手にはものすっごい力を込めているため離せない。



あたしは顔を上げて、有馬くんに無言の訴えを送った。


これはまずいと。


有馬くんとあたしの関係がバレる……!



「お前ら……付き合ってんの?」



……ほら、バレた!!




「あのね、石原くん、そうじゃなくて……!」



これは有馬くんとの約束でもあった。


あたし達が付き合ってることは、まだ周りには公にしないでおこうって。


有馬くんの、周りに騒がれたくないという思いにあたしも賛同した。

だから、梓にもまだ言ってなくて、夏休み明けに報告しようと思ってた。



なのに有馬くんは……。



「うん、付き合ってるよ」



簡単に、そんなことを言ってしまう。



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