【完】俺のこと、好きでしょ?
話が違う!という、あたしの訴えを察したのか、有馬くんはチラリとこちらに視線を寄越してつぶやいた。
「だって、変な虫がつくくらいなら、いっそ言ったほうがいいかと思って」
なんじゃそりゃ……。
ちょっとだけふてくされたような表情の有馬くんが可愛くて、キュンとしてしまった。
「……嘘、だろ」
だけどすぐに、石原くんの低い声で我に返る。
見ると、あたしが約束を破った怒りのせいでか、石原くんはふるふると体が震えていた。
「ご、ごめんね石原くん!本当は石原くんと会って話したかったんだけど、その前に今日、有馬くんに許可をもらおうと思ってたの!」
「え、そうなの?」
「そうなの!!」
驚いて聞いてくる有馬くんに、勢いのまま言い返した。
けれど石原くんの震えは止まらない。
あああ、どうしよう……!