【完】俺のこと、好きでしょ?



ここ、普通の大通りだけど、周りに人がいなくてよかった。


見渡しても人気がないのことに安心する。



「葉山」



石原くんに名前を呼ばれ、顔を上げた。



「好きだよ」



「……っ」



切なそうに微笑む石原くんに、胸がズキッと痛んだ。



だって石原くんは、長い間あたしのことを好きでいてくれたから。



「……ごめんなさい。あたし、全然気づかなくて……」



「……悪いと思ってるなら、俺の彼女になってよ」



伸びてきた手が、あたしの手を掴んだ。



だけどもう片方の手……有馬くんと繋いでる手に、ギュッと力がこもる。



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